2025/04/02
日本製鉄株式会社
日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)の意匠チタンTranTixxii® (トランティクシー)が、台灣日鐵物産股份有限公司との協働を経て台湾苗栗県竹南鎮に建設中の正覚寺玄奘文化宗教園区内主殿の瓦屋根に採用されることが決まりました。主殿は約4,800平方メートルの本瓦葺きでチタンの使用量は約30トンとなり、浅草寺の約15トンや、増上寺の約22トンを上回り世界最大のチタン屋根を持つ寺院となります。使用されるチタン瓦は約53,000枚です。
正覚寺玄奘文化宗教園区に建設予定の施設群の総床面積は約44,761平方メートルに及び、合計11の建物が建設される計画です。建物は大きく4つのカテゴリー 1.宗教活動をする主殿2.食堂・多機能活動スペース3.文化センター(オフィス、教室、講堂など) 4.寮など宿泊施設 に分かれており、チタンが採用される主殿は本プロジェクトの象徴的建築物になります。
主殿屋根は、台湾大手ゼネコンである潤弘精密工程事業股份有限公司の下で、弄奕國際有限公司(台湾台北市)が設計し、文化財修復も手掛ける齊瓦室企業有限公司(台湾新北市)及び禾鉅金属科技有限公司(台湾高雄市)が細部設計・施工を手掛け、TranTixxiiが採用される成型瓦の加工は精密プレス加工を得意とする茂碩實業有限公司(台湾新北市)が対応します。
主殿の外観は唐式寺院の伝統的なデザインが採用されており、本プロジェクトのもう一つの象徴的建造物である玄奘三蔵文化センターは、1,300年前に唐王朝の玄奘三蔵法師がインドに行ったときに巡礼した当時インドで最大の寺院であり仏教の中心地であったナーランダ寺院をコンセプトにしています。
チタン素材はトランティクシーのAD03(ブラスト処理)意匠※1で、京都で多用されている淡路産いぶし瓦をオマージュした重厚感のある屋根に仕上げる事が可能です。外観の印象は重厚感に満ちていながら、チタンの比重は4.51で伝統建築に使用される銅の比重8.9の半分と軽量で、焼き瓦と比較すると浅草寺では葺き替え前の谷瓦は約15Kg/枚に対してチタン製谷瓦は0.1Kg/枚になりました。屋根全体の重さ比較では、東京港区の増上寺において2021年に焼き瓦からチタン瓦に葺き替えが実施され、約500トンの焼き瓦屋根が約22トン(弊社2021年11月29日プレスリリースより)のチタン屋根に置き換わりました。
正覚寺の建設は既に始まっており本年夏にチタン瓦の施工が実施される予定で、2026年に竣工予定です。
トランティクシーは、時を超えて “美しさ”を次世代に伝える世界初のチタンブランドです。国内及び海外の著名な劇場やホテル、美術館、教会等、約700件以上の建造物に採用されてきた実績があります。
日本製鉄は、常に世界最高の技術とものづくりの力を結集し、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した活動(「11.住み続けられるまちづくりを」のターゲットである「世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する」)を通じ、これからも社会の発展に貢献していきます。
■事業概要
▼日本製鉄の意匠性チタンTranTixxii,ホームページ
https://www.nipponsteel.com/product/trantixxii/